ポッチキス

舌のうまく動かせない子どものころの私は、「ポッチキス」なんて言っていた。

JIS規格的には「ステープラ」が正しいそうな。NHK的には「ホチキス」らしい。他にもガッチャンコなど様々な呼び名がある。

そんなステープラだが、気づくと針がない。

Zenith 591

というわけで、200本の針を装填できる「Zenith 591」を好んで使っている。綴じた針はフラットにならないし、閉じる力を半分にするような機構もない。モダンとかレトロといった言葉の似合う外観の 「Zenith 591」。流行りのステープラの構造を和鋏とするなら、この591の構造は洋バサミだろうか。

遊びの少ない堅実な作りで、机などに置くと中のバネが鳴る。

ハイテクさはないが、綴じる時のカションという音と、機構に使われているバネのかすかな残響が小気味よく、意味もなく何か綴じたい気分にさせる。

プライヤータイプゆえの押し代の少なさもあいまって、たくさんの書類もテンポ良く作業できる。

装填時の姿形もユニークで、メカメカしい感じがたまらない。10号針1連50本を4束、計200本が入る。10号針はいわゆるフツーの針。数本残っていた針が倒れて詰まるといったトラブルも、針の内側にもレールがあるこのステープラでは起こらない。

Zenith

zenithはイタリアのステーショナリーメーカー「バルマ」のブランド。

カラーリングは5色ある。ポップなイエロー、スタイリッシュなレッド。重々しさのあるブラック。事務的な淡々としたグレー、内部の機構の動きを楽しむクリアー。プラスチックの質が高く、塗装も厚い感じがする。4年ほど使っているがくたびれた感じがない。

メインカラーに似合うよう、本来なら流用可能な部分(金属部や銘板)もわざわざ別の色にしてある。色に対するこだわりだろうか。おかげでそれぞれのカラーリングにはっきりとした個性がある。ステッカーなどを貼って楽しいかもしれない。

どこもかしこも質実剛健な作りで、10年近く使っている人もいるらしい。使うたびに愛着のわく、永く付き合いたくなる良い道具だと感じる。今後ともよろしく。

ZENITH | 591

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